卒業したての研修医が医学生に語る、おすすめの学生生活の過ごし方

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医学部6年間は、思っている以上にあっという間です。卒業したての研修医が、自身の学生生活を振り返りながら、「今を大切にすること」「失敗を恐れないこと」という、医学生のうちに知っておきたかった心構えをお伝えします。

医学部に入学したばかりの頃、6年間という時間はとても長く感じるかもしれません。

私自身もそうでした。

しかし、医学部を卒業して研修医となった今、振り返ってみて強く思うことがあります。

学生生活は、本当にあっという間だった。

そして、もし今の自分が医学部1年生の自分に何か伝えられるとしたら、勉強法や国試対策よりも先に伝えたいことがあります。

この記事では、卒業したての研修医である私が、これから医学部生活を送る皆さんに知っておいてほしい「学生生活の心構え」についてお話しします。

人生は思っているほど長くない

まず何よりも伝えたいのは、人生はそこまで長くないということです。

少し大げさに聞こえるかもしれません。

しかし、医学部を卒業した今になってみると、6年間の学生生活は驚くほど短いものでした。

入学した頃には「まだ6年間もある」と思っていたはずなのに、気が付けばCBTがあり、病院実習が始まり、マッチングがあり、卒業試験、国家試験と進んでいきます。

そして、いつの間にか卒業です。

皆さんが思っている以上に、本当にあっという間なのです。

私が気付いたのは5年生だった

恥ずかしながら、私が「学生生活には終わりがある」と本当の意味で実感したのは、医学部5年生になってからでした。

そこからは、とにかく寸暇を惜しんで、自分がやりたいと思ったことに取り組みました。

興味を持ったことがあればやってみる。

行きたい場所があれば行ってみる。

面白そうな機会があれば飛び込んでみる。

そうやって過ごすようになりました。

だからこそ、今でも思うことがあります。

「これを1年生の頃からできていたら、どれだけよかっただろう」

医学部生活は6年間あります。

5年生から始めれば、残されているのは2年間です。

でも、1年生から始めれば6年間あります。

この4年間の差は、とても大きなものです。

「いつかやる」をやめる

少し極端な例を考えてみましょう。

もし医師から、

「あなたの余命はあと1年です」

と言われたら、どうするでしょうか。

おそらく多くの人が、やり残したことがないように必死に生きると思います。

行きたかった場所へ行く。

会いたかった人に会う。

やってみたかったことに挑戦する。

では、余命が60年だったらどうでしょう。

考え方によっては、私たちも「残り時間はおよそ60年」と宣告されているようなものです。

60年と聞くと長く感じます。

でも、本当にそうでしょうか。

学生として過ごし、研修医や専攻医として働き、結婚や子育てをしているうちに、時間はどんどん過ぎていきます。

気が付けば人生のかなりの部分が終わっています。

「落ち着いたら」はいつ来るのか

「学生が終わったらやろう」

「研修が落ち着いたらやろう」

「子どもが大きくなったらやろう」

そして最後には、

「もう若くないからやめておこう」

そんなふうに先延ばしを続けていたら、やりたいことはいつまでたってもできません。

医学部にいると、どうしても「今は勉強しなければならない」と考えがちです。

もちろん勉強は大切です。

医師になれば仕事がありますし、その後には家庭や子育てなど、それぞれの人生で果たすべき役割も出てくるでしょう。

でも、それだけで人生を埋めてしまう必要はないと思います。

やりたいことを始められるのは、結局「今」しかありません。

人生には「幅」があっていい

人生には、それぞれ大きな「やるべきこと」があると思います。

医学部に入ったのであれば医学を学ぶ。

医師になれば患者さんを診る。

家庭を持てば家族との時間を大切にする。

もちろん、そうした人生の軸は大切です。

でも、それだけでは少し「幅」がないのではないでしょうか。

日々やるべきことをこなしながら、その合間を縫って自分の興味があることにも挑戦してみる。

旅行でも、スポーツでも、研究でも、留学でも、趣味でも、学生団体でも、起業でも構いません。

医学とはまったく関係のないことでもいいと思います。

どんなに手術が好きな人でも、手術だけをして人生が終わるのは、少し寂しくないでしょうか。

医学部にいるからといって、人生のすべてを医学にする必要はありません。

むしろ学生時代だからこそ、いろいろな世界を見て、自分の人生の「幅」を広げてほしいと思います。

意外と人はあなたを見ていない

もう一つ、医学部生活を送るうえで知っておいてほしいことがあります。

それは、

思っているほど、人目を気にしなくてもいい

ということです。

10代から20代前半は、周囲の目が気になりやすい時期だと思います。

「失敗したら恥ずかしい」

「変なやつだと思われたらどうしよう」

「自分だけ違うことをしたら浮くかもしれない」

そんなことを考えて、行動する前に足踏みしてしまうことがあります。

私自身、10代の頃は失敗することや恥をかくことが怖い人間でした。

でも、いろいろな失敗を経験して分かってきたことがあります。

人間は、思っているほど他人のことを気にしていません。

自分にとっては人生最大級の恥ずかしい出来事でも、周りの人にとっては数日後には忘れている程度の出来事だったりします。

そして何より、一度失敗したくらいで、自分の生活が劇的に変わることはほとんどありません。

若いうちにたくさん失敗する

失敗を経験していないうちは、「失敗したら何が起こるのか」が分かりません。

だから怖いのだと思います。

誰かに遠慮して、一歩引いてしまう。

ある意味では、それは奥ゆかしさであり、日本人らしい美徳なのかもしれません。

でも、それが行き過ぎると、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

だから、医学生の皆さんにはぜひ伝えたい。

大いに失敗してください。

もちろん、患者さんに危険を与えるような失敗をしていいという意味ではありません。

学生生活の中で、挑戦した結果として恥をかいたり、うまくいかなかったりすることを過度に恐れなくていい、ということです。

失敗から得た学びは財産になる

実際に失敗してみると、

「ここはこうすればよかった」

「次はこうしよう」

「意外と失敗しても大したことは起きないんだな」

ということが分かります。

そして、世の中には失敗しなければ分からないことが本当にたくさんあります。

だったら、早いうちに失敗してしまった方がいい。

なぜなら、失敗から得た学びは、その後の人生でも使えるからです。

一度得た学びは、自分の中に残る財産になります。

20歳で失敗して得た教訓は、その後何十年も使えるかもしれません。

そう考えると、若いうちの失敗には非常に大きな価値があります。

若いうちから少しずつ「経験」という財産を積み立ててきた人と、そうでない人。

その差は、人生の中盤から終盤にかけて少しずつ効いてくるのではないかと、私は思っています。

もっとも、筆者自身はまだ人生の前半にいると信じていますが(笑)。

医学生の皆さんに伝えたいこと

ここまで少しふんわりとした、概念的な話をしてきました。

結局、私が医学部を卒業した今、後輩の皆さんに伝えたいことはシンプルです。

人生は思っているより短い。

だから、「いつか」ではなく「今」やる。

そして、

人目を気にしすぎず、若いうちに挑戦して、たくさん失敗する。

医学部生活では、勉強も実習も国家試験も大切です。

でも、医学部6年間は医師になるためだけの準備期間ではありません。

皆さん自身の人生の6年間でもあります。

ぜひ、医学だけに閉じこもらず、いろいろなことを経験してみてください。

次回は具体的な学生生活について

今回は、私が医学部生活を振り返って後輩たちに伝えたい「心構え」を中心に書きました。

では、具体的に何をすればいいのか。

次回は、私自身の6年間を振り返りながら、

「学生時代にやってよかったこと」

「もっと早くやっておけばよかったこと」

「卒業した今だからこそ、医学生におすすめしたいこと」

などを具体的にまとめていきたいと思います。

医学部生活は長いようで、本当に短いです。

ぜひ、「いつか」ではなく「今」を大切にしてください。

それでは皆さん、楽しいキャンパスライフを。