医師国家試験の落ち筋。負け筋。どんな人が落ちるのか

― 国試直後の医学部6年生の生の声 ―

医師国家試験は皆さんご存知のとおり、9割以上の受験生が合格する試験である。
では、難易度が低いのか。

筆者は他の資格試験と比較しても、決してレベルの低い戦いではないと感じる。ほとんどの医学生にとって、大学受験時代のような無双感を味わうことは難しいだろう。しかし、合格率が90%を超えているのも事実である。過度な心配は不要だ。

今回は逆に、どのような人が不運にもその不合格の一割側に回ってしまうのかを考察する。9割の人間は多数派であり、そこには当然さまざまなパターンが存在する。それらを網羅的に考察するのは愚行である。皆さんのような賢者は、残り一割の数少ない負けパターンの考察に打って出るべきだろう。

国試は勝つゲームではない。負けないゲームである。
もちろん良い成績を取るほうが良い医師につながることは想像に難くないが、まずは負けないことが最優先だ。


負けパターン1:有意にさぼりすぎた人

ここでいう「さぼる」とは、圧倒的にさぼるという意味である。

ほとんどの医学生は6年生になっても旅行に行くし、だらだら過ごす時間も取っているだろう。しかし、それは有意なさぼりとはカウントしない。

有意なさぼりとは、3か月以上ほとんど勉強をしないこと。慢性的に飲み会に行き続けること。そのレベルである。

自分はかなり楽観的だという自覚のある人は、少し気をつけたほうがよいかもしれない。ただし、これも過度な心配は不要である。直前まで部活をしていた人、ずっとさぼりがちだと同級生から思われていた人も、結局最後の数か月の勉強で合格していく。


負けパターン2:メンタルがやられた人

医師国家試験は、意外にも大きなストレスのかかる試験である。

あまりのストレスに心を病み、逆に勉強が手につかなくなる。あるいは試験会場に行けないほど体調を崩す。こうしたケースは決してゼロではない。

必要以上に自分を追い込む必要はない。肩の力を抜くこともまた、立派な戦略である。


負けパターン3:直前期に頑張れなかった人

暗記は大きく長期記憶と短期記憶に分けられる。この二つを総動員して試験を解く。

賢明な医学生の皆様は長期記憶の重要性を理解しているだろう。そのあまり、一夜漬けを忌避し、国試においても短期記憶を軽視するかもしれない。

しかし、それは誤解である。

国試は、試験会場にどれだけ知識を持ち込めるかを競う場だ。知識の短期・長期の区別など関係ない。短期記憶をフル活用すべきである。

直前期の踏ん張りは、それだけで合格を引き寄せるほど強力だ。短期記憶の即効性は侮れない。


負けパターン4:あまりにも暗記力が低い人

悲しいことに、暗記力にもある程度の個人差がある。”暗記の本質”、”国家試験のリアル”参照。

ほとんどの医学生は勉強を始めれば中央集団に入る。しかし、ごくまれに成績がなかなか伸びない人が存在する。

「皆が伸びるのだから自分も伸びるはず」と思い込み、勉強開始が遅れることが最大のリスクだ。

早い段階で一度、自身の暗記力を検証しておくのは悪い話ではない。ある程度勉強し、模試を受験し、成績の伸びを計測する。もし伸びが鈍いのであれば、早期から腰を据えて取り組む必要がある。

これは悲観ではない。リスク管理である。


筆者が考えうる負けパターンはこれくらいだろうか。もちろんこれは個人的体験に基づくものであり、大学ごとに温度感の差はあるだろう。

いずれにせよ、国試は負けないゲームである。

皆さまの合格を心から応援している。少しでも力になれれば幸いだ。


医師国家試験記事まとめ⇒”医師国家試験”

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